【アニメ】新世界より 第13話 ネタバレあり

今回の第13話のタイトル「再会」。すごいですね。

始まったときは、何よりも守を見つけることが先決で、見つけさえすれば多少の困難があっても、事態は好転すると早季たちも手前も思っていました。

ところが、今回は事実が積み重ねられるほどに、守を救うことが難しいということを知らされていくような展開でしたね。
だから、タイトルを最後に持ってきた。

その理由を以下にまとめて見ました。

第一に、守が八丁標を越えるということ。これは、臆病でルールに反することを極端に恐れていた守にとって、大きな意味を持ちます。

許可のないものが八丁標を出ることは、固く禁じられていますし、八丁標の外は恐ろしいところと教わっているわけですから、覚ならいざしらず、守はよほどのことがない限り、出るはずはない。なのに、出た。

それ以上の恐怖が、守の身に迫っているということです。

第二にバケネズミが絡んできたこと。
ここで、追跡側の三人にも実はバケネズミに対する認識のズレがあるように思います。

真理亜がバケネズミに対し一番猜疑心が弱いといってもいいでしょう。
ケモノとは思っていても、人間には従順であり、人間に危害を加えるとしても犬が人を噛むことの延長上でしかみていない。

覚は、早季を土蜘蛛やスクィーラ、奇狼丸などと出会い、生死の危険を感じる体験をしているので、真理亜ほどはバケネズミを軽んじてはいない。

早季は、覚と体験を同じくし、かつ、富子からバケネズミを使って人を殺したことも聞いている。バケネズミそのものだけでなく、人間の命を受けたバケネズミのことも警戒している。なおかつ、スクィーラの狡猾さもつぶさに感じている。

その違いが、守に会った後のスクォンクに対する態度にあらわれていたのではないか。
とにかく、バケネズミが絡んでくることは緊迫した状況になるということ。情報が町に流れる可能性も高くなる。

最後に、守がネコダマシに襲われていたという事実。そして、以前ネコダマシを見ていたという事実。
これは守は町に戻れば確実に処分の対象となるということ。
それに知ってはいけない事実を知っているということ。
早季たちは、専ら早季の行動を観察するためとはいえ、監視されていた。
それに一連の記憶も消されているということは、守が知っているということを、教育委員会なり、倫理委員会なりが知っていてもおかしくはない。

連れ戻すことは守を殺すこととなる。

しかし、今回の中にも守の危険性が示唆されていたように思う。
ネコダマシに対して行った守の行動がそれだ。
守は精神的に追い詰められたり、恐怖に支配されると、対象を確認することもなく、呪力を発動する。
これは非常に危険である。

まず、今回の吹き溜まりの雪をどける作業で見られたような、呪力のバッティングに配慮することなく呪力を行使してしまう危険をはらんでいる。

それに対象を確認せずに呪力を発動するということは、攻撃抑制や愧死機構に制限されることなく対人攻撃できてしまう可能性があるということ。さらに、そのまま確認しなければ愧死することもない。
条件付の悪鬼のようなものだ。

また、対象を確認せずにイメージを明確にせず発動する呪力は、意識的な呪力というよりは無意識の呪力と見ることができる。これを常習化すると、バッドスピルの可能性も認められるといえる。
つまり、最終的には業魔化する可能性も否定できないわけだ。

覚は守を穏やかで、協調性があると言っていたが、精神が不安定なのは明らかであり、精神のバランスを崩せば思わぬ一面が現れ、悪鬼化しないとも限らない。

そういう意味では、守はあらゆる危険要因を持ち合わせる「よわい輪」なのだ。

その守を守ることはできるのか。そして、守のこととなると過敏に反応する真理亜はどうするのか?


(以下、あらすじ)

書置きを残していなくなってしまった守。

早季と真理亜は準備を整えてから全人学級に行っていたので、すぐに守の捜索にあたる。
一方、全人学級で早季と真理亜から守のことを知らされた覚は一旦自宅に帰って身支度を整える必要があった。

先行する早季と真理亜は一面の雪景色の中、守の家の付近を捜索する。守がどっちに行ったのか痕跡を見つけようとしていたが、なかなか見つからない。
取り乱す真理亜。厳しく励ます早季。

ほどなく、二筋の跡を見つける。二本は間隔も狭く、おそらく子供用のそりだった。
早季が雪上で使っているのは長板というスキーに似たもの。
真理亜は浮遊術が得意なので、長板よりも跳躍を呪力で補助して雪面を大きく飛び跳ねる移動手段を用いていた。
守は、浮遊術も長板も得意ではない。そりは守と考えて間違いないようだった。

そこへ、準備を整えた覚が合流する。三人の追跡が始まる。

ほどなく、そりの跡は八丁標を越えていた。いやな空気が一行をつつむ。

そりは山道へと入る。
追跡の途中、早季たちは小規模の雪崩に合う。間一髪、難を逃れた一行は、その先でそりの跡と並行して進むバケネズミの足跡を見つける。一層、不安がつのる早季たち。

すると、そりの後が消える。真理亜は山の上にいるのではないかと、様子を見に行く。
覚と早季はそりの跡を見つけようと、あたりを見回す。
ふと、早季が気づく。邪魔な雪を払いのけると、その下の氷に残る崖へと進むそりの跡を。
守のそりは、どう考えても崖から落ちたようだった。

守のそりが落ちたであろう、崖下へと降りると、そこには吹き溜まりがある。
ここに落ちたのであれば、守は助かるかもしれない。
だとすれば、その吹き溜まりの下に守が埋まっているかもしれない。
そう考えた真理亜は空中に浮遊したまま、呪力で吹き溜まりの雪を竜巻にして巻き上げる。
その風で、真理亜が危険な状態になりかける。
浮遊と竜巻を作りあげ、それによる風の影響を調整しながら浮遊することは、かなりの呪力が必要になる。
それを悟った早季が、真理亜に「自分がやる」と声をかける。
真理亜が竜巻から自分の呪力を引き上げないまま、早季が呪力を使うと、呪力のバッティングが起こり、危険な状態になる。それを防ぐためだ。
早季が、ある程度の雪をどけると下から守のそりとその荷物の一部が露出する。
今度は覚が二人に「自分がやる」と声をかけて、呪力でそりを掘り起こす。
しかし、どこにも守の姿はなかった。

覚はそりが完全に埋まっていたことは、そりを隠すための工作だと考え、守が生きている可能性を見出す。
しかし、埋めたのがバケネズミであった場合、守の生死は半々となる。
三人とも、必ず人間を助けてくれるとバケネズミを信用することはできなかった。
まして、可能性としては逃げた守を教育委員会もしくは倫理委員会がバケネズミに手配して処分しないとも限らない。

付近を捜索していた三人は、人を引きずったような跡とバケネズミの足跡を見つける。
どうやら、バケネズミは守を運んでいるようだった。
木の根を避けて運んでいることから、覚は守が生きたまま気を失った状態で運ばれているんだと推測した。
やがて、その跡をたどった一行は、二本松の間に作られた大きなかまくらを発見する。
用心深く近づき、中を覗いた早季は寝ている守を発見する。

守はバケネズミのスクォンクに助けられて、ここに連れてこられていた。
スクォンクは12歳の早季が溺れかけたの助けた、あの木蠹蛾のバケネズミだった。
八丁標の中にいたスクォンクは、そりの跡をみつけ、どこのバケネズミのつけた跡かを調べるためにあとをつけたのだという。

守は「なぜ一人でいなくなったか」という真理亜の問いに、「僕は死にたくなかったんだ」と答える。
守は臆病で劣等感を持っていた。
そして、三人が不安定な守には聞かせないようにと、隠していたことも知っていた。
臆病であるということはそれだけ用心深いということだったのだ。
続けて、守はいう。
「ネコダマシが来たんだよ。」
気のせいだと励ましていた三人も、この言葉に絶句する。

守は語った。四日前に夜道をついてきた何者かについて。ネコダマシとは確認していないが、大きな影はそれ以外には考えられなかった。
そして昨日、遠藤先生に中庭近くの場所に行くよう頼まれごとをして、守は一人になった。用事を済ませ、戻ろうとする守の背後に迫る足音。
守は振り返らずに歩を進める。だが、足音は近づいてくる。
ついには、獣のうなり声が聞こえる。
緊張が頂点に達した守は、半ば無意識に呪力を発動していた。
それに気付いた何者かによって隠されるネコダマシ。しかし、キズを負ったネコダマシの血痕が廊下に残っていた。

覚の言葉も、守があったのがネコダマシであったことを裏づける。
「ネコダマシの話はいろいろあるけど、気持ち悪いぐらい共通してるところがあるんだ。」
「獲物を襲う前に一回、予行演習みたいにあとをつけるって。」
真理亜は守が処分されかけたことを確信する。

だが、覚はおとなしく協調性もある守が「悪鬼」や「業魔」になる恐れがあるわけないと処分しようとしているという事実に懐疑的だった。
真理亜はヒステリックに早季に意見を求めたが、早季は真理亜の守を助けるという意見にも、覚の守が処分される理由がないという意見にも、同意できなかった。
『鎖はいつも一番弱い輪から破断するの』
富子のことばが思い出された。この場合、間違いなくそれは守を指し示していた。

その時、守が言う。自分はネコダマシを以前に見たことがあると。
中庭の小屋の影に隠れて見ていたら、中からネコダマシが出てきたのだと。
消された記憶なのか、はっきりと思い出すことはできないと。
すると、それが引き金となったか、真理亜も自分もそこにいたと記憶をよみがえらせていた。

事態は、当初早季が思っていたよりも、取り返しのつかないほど深刻なのだと思い知らされる。


1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント