【アニメ】新世界より 第19話 ネタバレあり

呪力が絶対的な優位を築いている、バケネズミと人間の関係。
呪力さえあれば、バケネズミに負けるはずがない。
しかし、人間がもっとも恐れ、子供を殺してでもその存在を生み出さないようにしていたはずの存在が現われる。
まして、バケネズミと共に行動しているとなれば、その関係は一変する。
それどころか、人間にはその存在を排除する術は少なく、かなりの幸運にでも見舞われない限り不可能に近い。

それが存在しているとして、確かに人間はどう対抗するのだろうか?
それでも、何も知らないよりはその存在を知っていた方が、逃げるという選択もしやすいだろうし、生き残れる人数も増えるかもしれない。
だが、野狐丸が狙っているのはおそらく人間の全滅であろうから、逃げたとしても一時しのぎにしかならないだろう。
早季や覚はどうやってそれに対抗するのだろう?
それ以前に、追われた早季たちが助かる方法とは何だろうか?

それにしても、一人で病院内に行こうとする覚を押しとどめた時の早季の目。これ以上仲間を失わない。二人きりになった覚だけは死なせないという思いが伝わってきましたね。


(以下、あらすじ)
バケネズミによる奇襲を当面凌ぎきった神栖66町の人たちが、鏑木肆星の指示に従い、あらかじめ決められていた五人一組を基本単位としてバケネズミを警戒、駆逐する反撃に出た。
五人未満の班は他の五人を割っている班と合流し、五人以上になって行動することとなっていた。
「神の力」呪力を持つものであっても、不意の攻撃、目で捉えることのできない攻撃を防ぐことは容易ではないから、周囲を怠りなく警戒できる人数が必要ということであろう。

早季と覚も二人きりであったため、藤田をリーダーとする3人になってしまった班と合流する。
藤田の班は病院に入院しているという大内を心配する岡野という女性の願いを聞く形で町外れの病院へと向かう。
移動は舟を使うが、バケネズミの奇襲に備えてもう一艘を先行させていた。

舟の上で早季は、覚の言っていた「何だか心配でたまらない」の真意を聞いた。
覚の心配はやはり、野狐丸の率いる塩屋虻軍への心配であった。
狡猾で用意周到な野狐丸が、奇襲が成功するという勝算の低い戦いを挑んでくるのは腑に落ちないのだ。
ある程度の人間が生き残ってしまえば、バケネズミは数がどれだけいようと呪力で簡単に掃討出来てしまうのだ。
現に今それが行われようとしている。
だが、覚はやはり奇狼丸たちの大雀蜂軍があっけなく敗北したことも気にかかっていた。
そのときの安全保障会議の席での鏑木肆星の言葉。
だが、舟の上は倉持を筆頭に呪力に絶対的な自信を持っていて、バケネズミが対抗するほどの力がないと信じているので、楽観的にバケネズミを退治するという思いが支配していた。

その雰囲気に微妙な冷風が吹き込んできたのは、病院の正面入り口が見えてきたときだった。
病院の入り口が、何か大きな力で中心から広げ、こじ開けられていた。
火薬のにおいもしない。爆発ではない。
バケネズミに火薬以外でこのような力を行使できることがあるのか?
言い知れぬ不安が班の緊張を高める。
だが、班のメンバーの一人を殺された倉持は、復讐心が先走り、状況を楽観視していた。
先頭を切り病院へ歩いていく。
覚は周囲の静けさに違和感を覚えた。
夏祭りの時期、周囲は水田に囲まれている。普通なら蛙や虫の鳴き声が大合唱していてもおかしくはない。
待ち伏せ。
覚は同じくまだ舟に残っている藤田、岡野、早季に静かに注意を喚起する。
倉持が病院内に姿を消し、待ち伏せの攻撃目標から外れた瞬間に覚たちは後ろの水田を振り返り、呪力で水田を焼き払う。
熱さでたまらず姿をあらわしたバケネズミの伏兵は、一矢報いようと闇雲に矢を放つ。
流れ弾が早季の近くを掠めるが、班に被害はなかった。
早季たちは、これ以上の攻撃を受けぬように姿をあらわしたバケネズミを一匹ずつ頭を吹っ飛ばして殺していく。
全てが終わり、静寂が病院に訪れる。藤田は倉持に声をかけるが応答がない。
議論しているそばで、病院の二階の窓に呪力で作った光が漂っているのが見えた。
一人で行こうとする覚に早季が同行する。岡野も続いた。
藤田は舟に残り、待機することで落ち着く。
病院内に倉持の姿はなかった。
三階へと上がりきった所でバケネズミの待ち伏せに会うが、覚の慎重な行動によって三人に被害はなかった。
しかし、すでに倉持がその罠で絶命していた。
その奥の部屋で、異様なものを目にする。布で三人の人間がぐるぐる巻きにされ、さながら繭の様に宙に吊られているのだ。
吊るされていた三人を助けた覚たちだったが、助けた三人は目隠しをされ、布で拘束されていた。
拘束を解くが、三人とも意識を失っていた。
早季は呪力を持った人間が、バケネズミに拘束された事を奇異に思う。
覚は不意を突かれたんだと考えるが、殺すならまだしも拘束されることなどあるのかという早季の疑問に解答することができない。
やがて、三人が目を覚ますが、「逃げろ」という野口先生。看護師の女性は気が触れている。
最後の一人の男性も起き上がると恐怖にかられたように無言のまま闇へと消えていった。
いそいで、病院から離れようと階段を下りる覚たちに、先ほど消えた男の声と、それを宥めるような藤田の声が聞こえる。
一階に降り、正面出口から出ようとすると、先ほどの男が走っていた。が、次の瞬間、呪力によるものと思われる炎に包まれる。
最悪の解答が覚たちの目の前に出される。
男の近くにいた藤田は炎を呪力で消化しようと構えるが、その腕がねじり上げられ宙吊りにされる。
だが、宙吊りにしているものの正体を肉眼で見ることはできない。
呪力によって、男も藤田も殺されてしまったのだ。
呆然とする覚と早季を尻目に、野口は正面は危険と判断して、裏に回る。
裏口から出た野口は、別々に逃げるしかないのだと覚たちを追い払う。
呪力で人を殺せる人間。それに呪力で人を殺せない人間が何人固まっていても無力なのだ。
せめて、バラバラに逃げることで、助かる人間がいれば幸運で、それ以上を望むべくもない。
藤田はふらふらと逃げていく。
その時、早季がその存在を感じた。
「来る...迂回して...」
覚たちは出てきた裏口に戻り、音を立てないように扉を閉じると、細心の注意を払って取っ手をゆっくりと元に戻す。
そして、ゆっくりと覚が放した取っ手が、扉の前に来た何者かによって戻したときと同じようにゆっくりとひねられる。
緊張する覚たち。だが、その存在は野口を発見し、扉を離れた。
その隙に、正面に戻った覚たちは乗ってきた舟で脱出しようとするが、同行させていた看護師が入り口から動こうとしなかった。一刻の猶予もない状況に覚悟を決めた岡野が看護師と残ることにして、早季と覚だけが舟で脱出した。
「助けを寄こしてください。」
岡野はそう言ったが、それが無理なことも承知していた。
気づかれないように舟に身を隠した早季は、「ごめんなさい」と嗚咽する。

病院から離れて、早季と覚は話し始める。
覚の疑問が確証を得て、晴れていく。奇狼丸がなす術なく敗北した理由。野狐丸が人間に対して反逆した決定的な勝算。
が、覚は急に緊張する。
病院にいたあの存在が、行きにおとりに使った舟で追ってきているというのだ。
まだ、覚たちは虎口の中にいた。


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