G君の憂鬱

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G君は自分とちょうど20歳差の友人。
バイトに来ていた時に知り合って、たまに遊ぶような関係。
今も続く、新卒採用難の波を食らって社員として働きたくてもなかなか働かずにいる苦労人。
ちょっと面倒くさがりやで、なるべくやらなくてすみそうなことをやらないですまそうとするきらいがあるが、根は素直でピュアな自称アニヲタ君。
仕事で一緒だったときも、もともとのズバ抜けた能力とは言えなかったが、何度か教えれば吸収するし、怒られても明るく受け流すことができる、人に好かれるタイプの人間だ。

そんな彼とカラオケ終わり(アニソン7割)で夕食に行ったときのこと。
いわゆるファミレス系のお店。
不思議なことにそのお店はメニューがひとつだけテーブルに備え付けられていて、2人だったせいなのか、ひとつは店員さんが持ってくるという不思議なシステム。
一人客が多いのだろうか?
ちょっと狭くなるが6人ぐらいいける広さの席だったんですけどね。

その後、自分たちはオーダーして、来るのを待っている間に雑談していた。
仕事の話からなんとなくの流れで、年齢のギャップが大きいと比較的陥りやすい話題の「最近の若い者は」的な話題になっていた。
ここで、断っておくとヲタなど体育会系でない、インドアー人間は年功序列に拘泥することに難色を示す傾向があるように思う。
かくいう自分もその一人で、別に年上に対して若者はかくあるべきとは思わなかった。
さらに、経済的な理由もあってほぼほぼワリカン(端数はいいよ程度)で遊んでいるから優位性があるわけでもない。
これで、「俺を立てろ」的な振る舞いなど極悪。
まして、何か人に褒められるような事をしているわけでもない自分だからもうねぇ。なんでしょうね。

だから、一般的にはそう言われるよねぇって話。
自分たちも言われてきたし、今の人たちもそうだろうなぁってことで。
G君もそれが納得いかないらしい。

時代的にどんどんフランクになっていっているのは事実だと思うから、自分たちの時代と比べると敬語ができていないとか勝手だとか思えるようなことも多いだろう。
そう考えれば指摘は妥当なのかなと思う。

でも一方で、そのときの風潮や環境によっても同じ事をするにも抵抗感が弱かったり、強かったりすることもあるんじゃないだろうか。
たとえば離婚件数が増加しているのも、平均的に離婚しても生活できるような収入が得られる環境があれば我慢していた人も離婚しやすくなるだろうし、世間の目としても男尊女卑が悪習と正され、離婚した女性への偏見が和らげば、それだけ離婚も増えてくる気がする。

また、何十年も働いている人間としては、はじめからできていた気になっているけれど、初めのうちはできないのが当たり前だし、すくなからず先輩にフォローしてもらっているだろうと思う。
けれど、自分のことですら手一杯の状態で、ほかの人が自分にしてくれていることに気づくことは難しい。
まして、そんなフォローを「フォローしてやってますよ」顔でアピールしてくるやつなんてほとんどいないだろうから気づけない。
そのまま一人前になると、自分の努力のみが、今の自分を作り上げた気になって、あるいは最初からできていた気になって上から目線、そういうこともあるんじゃないか?

そんな話をG君も少しわかるような話をしていたけれど、彼なりの考えもあるらしかった。
彼はまだ若いからどうしても視野が現在に固定されている気がした。
「部活だと1年上ってだけで、えらそうだったりするじゃないですか? 意味わかんなくないですか?」
「まあそう考えられるけど、たとえば、今、G君もよく言うけど『1年が早い』って言うじゃん? 俺に言わせればまだまだ加速するよとだけ予言しとこうか。その早い1年って小さなころや学生時代と比べてってことで、いいんだよね?」
「はい」
「部活をやっているのが学生時代だとしたら、学生時代の1年は今の2・3年分かそれ以上じゃないの?」
「しかも、楽しいこともあるけどしんどい練習を繰り返しての1年ならその経験は十分に尊重するに値する優位性な気もおれ自身はするけど。まあ、やりすぎ感のある場合もあると思うけど」
「そう言われれば、そうかもしれないですね」
「それに逆の立場で考えてみい。先輩には後輩を指導するという責任があるとすれば、タメ口や馬鹿にされながら指導なんて、そういうことが上手な人しかできないでしょ? つまり、最初は同列とみなされていても、そういう人はたぶん何もしなくても多くの人に尊敬されるだろうから、本当は必要ない。でも、俺はないんだけど、G君は自分がそんな人間であるという自信ある?」
「それはないですね」
「だったら、そのシステムはメリットもあるんじゃないかな?」
「でも、面倒くさいですよね?」
「確かにね。デメリットだってある。だからこれが絶対じゃないし、実際、そういうのは薄れてきているけど、そうなると自分の時代には先輩を立てさせられて、後輩ができた頃にはタメ口ってことになる危険性は気にならない?」
「うーん、難しいところですね。今すぐガラッと変わったらいいんですけどね」
「まあね。でも、それが心地いいって言う人もいるからなんとも言えない部分はあるよね。」
「その年功序列を美徳とする考え方がなくなればいいんですかね?」
「そうかもしれないね」
「あとは個人個人で」
「そうだね」
「でも、人間関係だからそう簡単じゃないのかな?」
「それはあるかもね」

ここでG君
「問題は、自分はそこそこできてると思うので、『最近の若いやつは』でひとくくりにされるのが嫌なんですよね」
ちょっと面食らった。
「なにおう?」
「そうじゃないですか?」
「君は今時といわれるわかものじゃないってか? じゃあ聞くが、ここに入ってきた時に、店員さんが持ってきたたった一つのメニューを我先にと、かっさらってずーっと見てたじゃねえか!」
「そうでしたっけ?」
「今日会って、最初に話した友達の会社の飲み会の話もそうだぞ! 上司の話に愛想笑いして、お酌して、みんなの注文取ったりなんて下っ端だった普通は当然だよ。」
「そうなんですか?」
「人によって気にならないかもしれないけど、極論したら会社の社長が飲み物注文したり、お酌して回ったりしてる飲み会は気まずすぎて、そっちの方が俺は無理だ。」
「いや、そうですけどぉ」
「いいじゃん、慣れればたいしたことないし、営業職だったら気遣いができないなんて成績上げられるとは思えないけど。いやでも癖になるぐらいやってしまえば、そんなに気にならないよ。むしろ、「人間平等なんだ。それに自由なんだ」っていう理想論を振りかざして、嫌なことから逃げてるだけに見えるけどなぁ。うーん、最近の事情は知らないから、それが普通になってきているのかもしれないけど、お金を稼ぐってことはそんな嫌を我慢して、みんなやってるんだと思うよ。でも、違うのかなぁ~? 上司が苦労しているって話も聞くしねぇ」
「でしょ?」
「『でしょ』って、今、何はなしてたかわかってる? そういう理屈つけて本当はやりたくないだけのことやらずに済まそうとするのが最近の若い者ってことでしょ?」
「あっ、そっか~。俺、最近の若者だったのか~」
と悶絶する。
彼は本当にこういうところが素直でかわいい。
そして、結局、調子に乗って説教がましい自分をおっさんだなぁと思う。(反省)
今日の問題

チェスの第二問。
では、チェックメイトとは本来どういう意味?

1.打ち負かされた王
2.王の埋葬
3.決着
4.王の転生

答えは明日。
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