【アニメ】新世界より 第20話 ネタバレあり

悪鬼が登場し、物語は佳境へと進みだす。
悪鬼に追われ、早季はこれまで味わったことの無いほどの死を身近に感じているようだった。
自分が死ぬ。そのイメージがはらってもはらってもまとわり着いてくる感覚。
覚も同様であるようだった。
しかし、追い詰められた時の覚は以前にも増して冷静であるようだ。

早季は教育委員会を敵視し、だが、悪鬼を前にその妥当性にうなずかざるを得ない。
富子に知らせるまでは、まだ、何らかの対策が立てられると思っているようだが、それが容易ならざることであることも覚悟していた。
だが、富子は打つ手はないのだと言う。
「愧死機構」に加え、「攻撃抑制」がある以上、危害を加えようとすることすら難しい。
暗澹たる気持ちになる早季。
そして、町に悪鬼が姿を現したと噂が届く。
野狐丸が切り札を投入したということは最終段階と考えていいのだろう。
早季たちには抗えない。だが、富子に言われるままに清浄寺に行く以外に手はなかった。
あのバケネズミのミュータントで吹き飛ばされ、最早、唯一残された仲間である覚ともはぐれ、頼れるものなどない。

それにしても、野狐丸はなぜ切り札でありこれまで人間に対し秘匿し続けた悪鬼を、まず病院に投入したのか?
病院の人間を皆殺しにできると踏んでの投入かもしれないが、万事慎重の野狐丸の行動とは思えない。
むしろ、悪鬼がいるのであれば、病院を残しておいて負傷者が病院に集まったところで一網打尽でもいいような気がする。
人質を取りたかったのかも知れないが、病院である必要があるだろうか?
病人やけが人であっても呪力が使えるということであれば、逃げ出す可能性が低いぐらいしか病院で人質を取る意味などない。
それとも、他に何か目的があったのか?

そして、悪鬼と言われている悪鬼は本当に悪鬼なのか? 悪鬼であるならば、なぜバケネズミに加担しているのか? 悪鬼であっても理性的に行動する悪鬼もいるらしいからバケネズミと共闘しないとは限らないが、殺戮をこのむ悪鬼にとってはバケネズミですら殺戮の対象でしかない気がする。
そこがどうなっているのか?

さらに途中、早季の意識が混濁した際によぎった、
「水路以外の移動手段」
「水車で発電された電力」
「伝声管以外の伝達手段」
「早季はわたしが守ってあげるから」
という言葉はどういう意味を持つのか?
神栖66町では水路をメインの移動手段として使っている。その水路を使えないために早季は町へ急ぐことが困難だった。
そして、神栖66町の水車による発電は、公民館の放送にのみ使われている。
伝声管以外の伝達手段は公民館の放送のみ。伝声管はバケネズミの爆破などの攻撃により使用不可能になっているため、伝達手段がない。統制も取れない。

あの水生バケネズミのミュータントの爆発は人間に大打撃を与えた。
だが、野狐丸の真の狙いは...
なかなかに、周到な気がしてならない。

ヒトモドキという人間に似せたバケネズミを人間に紛れ込ませ、人間の班と思わせた集団から攻撃を受ける。または、班員に化けて攻撃する。
もちろん、ヒトモドキとしたバケネズミはほぼ討伐される。
しかし、その効果は大きな不信を人間たちにばら撒き、同士討ちを引き起こす。
相打ちである必要はない、あやまって人間を殺せば殺した方も「愧死」するのだから。

夕立ぐらいに思っていた雨雲は台風という強大な姿を現し始めたようだ...


(以下、あらすじ)

「やつだよ」
病院にいた人々を皆殺しにし、藤田さん達を殺し、野口医師を殺した、呪力で。
その本人が舟で早季たちの後を追ってきていた。
気づいたことを悟られないようにと覚は、トーンを変えずに話し続けるように早季を促す。
そして、自分は必死にこの窮地から脱出する方法を模索する。
早季の口からは恨み辛みが漏れ出してくる。
だが、行き着く先は奪われた記憶。仲間の記憶だった。
死線を前にして強く思うことは、顔のない少年のことだった。
記憶を取り戻すまで、死ねない。その想いが早季たちに一案を授ける。
二艘の間に覚が鏡を作り、前走する早季たちの舟と鏡像で隠すことで二人が舟から逃げる時間を作ろうと言うのだ。
運河に入り、さっそく実行した策は成功し、悪鬼に気づかれることなく舟から脱出する早季たち。
陸から呪力によって船足を速めた早季たちの乗っていた舟は途端に悪鬼によって炎上、沈められた。
あまりに無抵抗だったためにいぶかしんだ悪鬼はしばらくそのあたりで様子を窺っていたが、ほどなく運河から病院の方へ戻っていった。
早季は悪鬼が追いついた早さから、もしかしたら残してきた岡野さんたちが生きている可能性を思う。そして、この間に逃げていてくれることをわずかな可能性だが考えた。
舟を失い、歩くことしかできない早季たち。一晩でさまざまなことが起き、精神的にも肉体的にも疲労困憊。
ほどなく、人のいない家を見つけて休むことにした。祭りの日で浴衣だった二人は、その家の動きやすい服をかり、庭にあった荷車を舟代わりに、再び運河に戻った。
川伝いに行かなければ、富子たちがいるであろう中心部へはいつまでたっても辿り着けない。
途中、川の中にバケネズミのミュータントを発見する。
そのミュータントは黒い粉を吐き、灼熱させることのできる部位を使って、粉塵爆発を引き起こす能力を有していた。
それに間一髪気づいた二人は、空中にお互いの体を放り上げることで、爆発に巻き込まれることを回避した。が、爆風によって早季はさらに高く吹き飛ばされ、覚が無事かは確認できなかった。
そして、上空に吹き飛ばされるその体験が、過去の体験とリンクして顔のない少年との最後の記憶を呼び覚ましていた。完全ではないが、早季の中に失われた記憶の断片が少しずつ組み立てられ始めていた。
思うように呪力でスピードを殺すことができなかった早季だが、落下地点に恵まれ致命的な傷を負わずに地上に戻る早季。
その直後、呪力による攻撃に見舞われるが、攻撃してきた石を呪力によって防ごうとした時に現われた干渉模様によって、早季をバケネズミだと勘違いして攻撃していた少年が相手が人間であることを悟り、攻撃をやめる。
その子と道すがら話をしていると、野狐丸の戦術は巧緻を極め、二重三重の罠に人間たちは翻弄され、同士討ちまでして、攻撃された方も攻撃した方も死亡する痛ましい結果を積み重ねていた。
また、早季たちもあったミュータントの攻撃で甚大な被害を受けていたので、水中を移動するミュータントの侵入を防ぐため、水路の水が抜かれたのだと言う。
負傷者から、富子が全人学級にいると聞かされた早季は、同行していた少年と別れ、一人全人学級に向かう。
全人学級で会った富子はひどい怪我を負い、ベッドに横たわっていた。
富子は早季がもたらした悪鬼出現の報告をにわかには信じられない様子だった。
だが、そのころになると全人学級内でも悪鬼出現の噂が囁かれるようになっていた。
富子は早季に町のことを託して、足手まといにしかならない自分を置いて清浄寺に向かうようにと伝えた。
付き添っていた新見にはこのことを鏑木肆星に伝えること、そして公民館に行って多くの人に町から逃げるように伝える役目を与えた。
富子に心から信頼を置いている新見はその言葉に従い、早季と共に全人学級を後にする。
早季はおそらく富子とももう会えないと悟っていた。
富子の最後、それは神栖66町の敗北を意味するような絶望だった。


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