【アニメ】新世界より 第21話 ネタバレあり

野狐丸のグランドデザインが明らかになる回。
それを知ってしまえば、覚に襲い掛かったバケネズミの言葉も納得できる。
より現実的で、バケネズミの悲願を成就できる計画。
屈辱は与えた方は、受けた方ほど実感がないらしい。それは早季の言葉にもあらわれていた。
そうなることが当然と捉えているから、そもそも基準が違う。
同じではないのだから、人間のために奴隷の如く働くことは当然の事。バケネズミに対し生殺与奪を自由にしても、危険の排除、当然の罰則でしかない。
バケネズミにすればたまった者ではない。その感情をわずかでも人間に味合わせたい。その感情が湧いて当然だろう。
ここらへんが野狐丸が勢力を拡大した基盤なのかもしれない。

新見さんの最後の使命。
あれ程の目立つ行動をすれば、敵に位置を知らせてしまう。
もしかしたら、新見さんは自分に敵を引付けようとしたのではないか?
放送自体にも意味はあったかもしれない。
が、頑なに使命を全うしようとしたのは、富子もその思惑があり、新見さんはそれをわかった上で早季たちの方が少しでも手薄になればという思いがあったからではないだろうか。
だからこそ、すぐにレコードにして電力供給のみ集中することができれば、マイクの前にいる必要がなくなる。
水車が見える位置で隠れていれば、細かい位置の特定がされづらく少しでも時間を稼ぐことができると考えたのかもしれない。

呪力は他の兵器に比しても、先制攻撃を重要とする能力だろう。
兵器の場合はさまざまな無効化、迎撃手段が登場したが、呪力は発動が一瞬で、かつ直接に力を加えることができるため、防御手段が乏しい。
物質を利用した攻撃であれば、まだ防御手段が存在するだろうが、直接体に呪力を及ぼす攻撃は防御手段がない。
だからこその愧死機構なのだろうが、すべての呪力の持ち主に備わっているという前提が崩れれば、あとは足枷にしかならない。
だから、呪力がいかに強大であろうと先制攻撃できなければ、呪力を行使する機会さえ与えられない。
鏑木肆星が敗れた理由はそこにある。


(以下、あらすじ)
肆星の元へと急ぐ新見に伴われ、早季は広場近くまでやってくる。
人々がついにバケネズミへの恐怖で満たされそうになる。
肆星は空に文字を描き、演説をうち、復讐心を煽って恐怖に支配されそうになる人々を混乱から立ち直らせようとしていた。
しかし、空中にいた肆星が大地に立とうとしたした瞬間、バケネズミによって掘られた落とし穴を覆っていた地面が崩落した。
舞い上がる土煙をすばやく収束させるため、肆星は雨を呼んだ。多くの人を穴に落とさぬように空中にとどめていた。
穴に潜んでいたバケネズミたちを呪力で捕らえ、情報を聞き出そうとするが、悪鬼が姿を現す。
大量の人が空に吊るされ、殺されていった。
行過ぎるものは炎に包まれて、一瞬で灰燼に帰す。
悪鬼はその端正な顔立ちを見せた。
真理亜のように赤い髪、だが守のようにクセッ毛でウェーブがかかっている。
真理亜のように美しい顔立ち、だがその目は守のように疑うことを知らない澄んだ瞳をしている。
真理亜と守の子であることは疑いようもなかった。
親友の名をつぶやき呆然とする早季だったが、新見に手を引かれ、間一髪身を隠すことができた。
鏑木肆星と対峙する悪鬼は、躊躇することなく呪力を行使する。
岩を使って押しつぶそうとする悪鬼に、肆星はそれを封じてみせる。逆に悪鬼を呪力で作り出した流砂にからめとろうとする。人々は早季や新見も含めて、肆星の勝利を期待していた。
その時、早季を呼ぶ声があった。
安否を確認できていなかった覚が無事な姿で現われた。
安堵する早季に覚はあせった様子で逃げろと伝える。勝負が目に見えていると言うのだ。
その言葉に早季は、呪力を漏出するという出来事、それをした少年の面影、その少年に気づき近づくのをやめた肆星を思い出していた。
人間を無意識下でも攻撃でき、その攻撃が直接人を歪めようとする攻撃であるとき、いかな強大な呪力を持つ人間であっても防ぐ手段はない。
早季は思い出していた。
実証するかのように鏑木肆星はその強大な力を使うことなく、悪鬼に殺された。
攻撃抑制、愧死機構の正常に働いている人間に抗う術はないのだ。
そして、教育委員会は正常に働かない者は処分してきていた。そういう人間は町にはいない。
覚は悪鬼の意識が鏑木肆星に集中しているスキに、崩落で見えた無数の横穴の一つに早季、新見と共に飛び込む。
姿を隠した後ろで、人々の断末魔の叫びが合唱となって奏でられる。戦慄と懺悔の気持ちが三人を襲う。
だが、進むしかない。
途中、まだ息絶えていないバケネズミを発見する。人間の言葉も話せる。
情報を聞き出そうとするが、失敗する。
だが、バケネズミたちは野狐丸が兵士をコマのように使い捨てにしていることを意に介していないようだった。
野狐丸は少なくとも彼らにはその犠牲をも納得させる大義のために動いているようだった。
バケネズミは情報を漏らすことなく巧みな方法で自ら死を選んだ。
穴から地上に出た三人だったが、目的が違うので新見はそこで別れた。
「お二人とも、どうか、ご無事で」
そういって、新見は公民館へと行き、悪鬼の出現を放送で町中に知らせるという富子から受けた最後の使命を全うした。
放送は何回か繰り返されたが、その後、『家路』のレコードが繰り返し放送された。
「新見さん、脱出したみたいだ」
覚は早季を気遣いウソをついた。
一瞬安堵した早季だったが、水のない水路を目にして気がついた。
放送には電気が必要だが、その電力を得るための水車は水が抜かれれば回らない。電力は得られない。
なのに、放送ができているということは、新見が呪力によって水車を回し、電力を得ているのだ。
「新見さんはまだ...」
二人にはどうにもできないことであったし、新見さんの行いを無駄にしないためには進むしかなかった。

放送はほどなく止まった...。
水路には再び水が流れ出した。

清浄寺へと到着した二人は食事を済ませると、二人は無瞋上人に引き合わされた。
富子の安否を聞かれても、口ごもる早季。
無瞋も了解したようだった。
護摩壇では火が焚かれ、何かの祈祷が行われているようだ。
休息を得られるよう、部屋へと案内しようとする人に早季は両親が来なかったかと尋ねた。
早季の両親は清浄寺に来たものの、悪鬼に対抗すべく不浄猫を開放するため町に戻ったということだった。
悪鬼が跋扈し、肆星のいない町に戻る。それが何を意味するのかは早季がよくわかっていた。
早季の両親は、早季がここへ辿り着いたときのためにと渡して欲しいものがあると頼んでいたらしい。
今すぐに見せて欲しいという早季の頼みに案内役は了承する。
が、その前に会って欲しい人がいるという。
一室に案内され、中にはいるとそこにいたのは鳥獣保護官の乾だった。
一週間も前に塩屋虻系のバケネズミを一掃する任に就いた乾ら5人だったが、戻ってきたのは乾一人だった。
他の4人は悪鬼に殺され、乾も命からがら逃げてきたのだった。
バケネズミを追い、悪鬼に出会い、その存在を知らせるために町に戻った乾。その経緯を早季たちに話す。
その中には恐ろしい野狐丸の狙いを示す事柄が含まれていた。
夏祭りの夜、やっと町に辿り着いた乾の前には人の出払った民家があるだけだった。一刻を争う状況だった乾は近場で人が必ずいるであろう託児所へと向かった。祭りであっても、子供を世話する人の何人かはいるはずなのだ。
だが、乾の眼前には屍となった成人と、カラになったゆりかごだった。
野狐丸は人間の赤ん坊を手に入れ、育て、バケネズミに従順に従う悪鬼の部隊を編成しようとしていたのである。
そうなれば、人間とバケネズミとの力は逆転し、人間はバケネズミに根絶やしにされるか、奴隷として使役される道を辿るだろう。

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