アメリカンフットボールてきとう入門 第九回

今回は時間のコントロールについてお話しようと思います。

アメリカンフットボール以外のスポーツは試合時間が決められていたり、いなかったりはするものの、時間自体をコントロールするというプレイは基本的には存在しません。
たとえば、野球は試合時間は決められていませんし、サッカーでは時間計測が止まらないために途中で消費した時間をロスタイムとして試合時間に付け加えるとは言うものの、選手がそれを操ろうという概念はないでしょう。
ところが、アメリカンフットボールはプレー自体がダウンというこま切れのプレーと作戦タイムとの繰り返しという特殊なプレーシステムです。
そのためどういう状態では時間計測を進めるとか止めるとか、ルールで細かく決められています。
そうなってくるとそのルールを利用して、時間を進めたいとか止めたいという作戦が自然と出てきます。

大雑把に言ってしまうと、パスプレーでパスをキャッチできなかった場合か、ボールまたはボールキャリア(ボールを持っている人)がアウトオブバウンズに出てしまった場合には時計が止まります。
ボールキャリアがフィールド内で倒れたときには時計は進みます。
そして、一つのダウンが終わると作戦タイムとしてハドルを組みます。
これで次はどう攻撃するかをチームに指示するわけですが、この時間が25秒与えられています。
しかし、この25秒は前のダウンが終わり、審判が「はい、プレーに入って」といってからの25秒なので、正確には40秒ぐらいの時間が与えられます。
つまり、攻撃チームはある程度この組み合わせで、1時間ある試合時間を消費したり節約したりできるわけです。
たとえば、ランプレーを選択し、アウトオブバウンズに出ないように倒れれば、攻撃側は最大約40秒時間消費をして次のプレーをすることができます。
つまり、4回の攻撃があるわけですから、次の攻撃権を獲得しなくても最大で4×40秒で160秒ぐらい時間を進めることができるわけです。
逆に、時間をパスプレーなどの時計の止まる方法で攻撃すれば、ハドル時間は試合時間に入りませんのでその分時間節約できることになります。

結果として、勝っているチームは得点を取りながらも、時計を止めない方法で攻撃して、時間消費し早く試合を終わらせようとします。
逆に負けているチームは時計を進めない方法で攻撃して、なるべく時間を残して自チームの攻撃チャンスを増やそうとするわけです。

すると、ここから駆け引きが始まるわけです。
最初から、パスとランの二種類の攻撃があるわけで、どちらの攻撃で来るかを読んだ方がディフェンス側は守りやすい。相手の攻撃を止めやすいわけです。
でも、まあ通常はサードダウンの残り20ydなんて極端な例じゃなきゃ、どちらを選択するなんかは読みづらいわけです。
ところが、上記のように点差によって選択したいプレーの傾向が出てくる。
すると、敵だけじゃなく手前のような素人にも予想がある程度はつくようになる。
自然と作戦を読むようになるわけです。
ところが強いチームのヘッドコーチ(野球で言うところの監督)やQBは、その意表をついてくるわけです。
すると見事な作戦には「やられた!」となって、感心しきりなわけ。
そうなってくると、勉強にもなるし試合を見てても俄然面白くなる。
知れば知るほど面白くなるアメフトがここにあるわけですよ。
どうですか? 読んでみませんか?
ルールは面倒くさいですが、その分一緒になって作戦を考えたり、逆転する方法を考えたりというのが面白いんですよ。

脱線しましたが、話を戻すとここまでのまとめは、
1.ハドルの時間で時間コントロール
2.ハドルで稼げる時間は最大約40秒
3.時間を使うならラン、使わないならパスが原則。
となります。

ここまでは攻撃側の選択。つまり、攻撃権を得ないとできない。
そして、攻撃権は移動し、通常は次は敵チームに攻撃権がいってしまうということ。
ここも面白いわけです。
進まなければ攻撃権を維持することはできないのに、進んで攻撃してしまうと得点と交換に攻撃権を失ってしまう。
時間を消費するにしても攻撃権が相手に移ったときの事も念頭に置かなければいけない。
おもに、得点がビハインドで時間を節約したいチームが対象となりますが。

では、守備側のチームには時間をコントロールする手はないのか?
実は、ありません。
攻撃の開始も攻撃側の決定事項ですから、規定時間内であればハドルなしで攻撃開始も反則ではありません。
しかし、一つだけ守備側が時間のコントロールを阻止する方法があります。
といっても、消費を阻止することしかできませんが。
それは、タイムアウトです。いわゆる、「タイム、タイム!」です。
タイムアウトは90秒間ですが、タイムアウトが認められるとその時点で時計が止まります。
敵がランプレーなどで時間消費をしようとした時などにプレー直後にタイムアウトを取ると、時間を消費せずに次のダウンまで進めます。
ただし、このタイムアウトは1チーム、前後半それぞれ3回ずつの6回しか取ることができません。
また、前半に与えられたタイムアウトは使わなくても後半に持ち越すことはできません。
さらに、チャレンジという審判の判定に「物言い」をつけるシステムは、審判の判定が覆らなければタイムアウトの権利を一つ失います。
つまり、タイムアウトを消費してしまい、取る権利が残っていない場合には、いかに明らかな判定ミスがあってもチャレンジすることさえできません。
これは、チャレンジ失敗にもこの罰則がなければ、時計も止まり、一定時間判定をビデオで確認するためチーム自体は休憩が取れるため、タイムアウト代わりにチャレンジを乱発することになるためです。
これでは試合進行を遅滞させてしまうので、こういった罰則があるわけです。
チャレンジの話はこれぐらいにして、タイムアウトは重要であるため、そう乱発することもできません。
時間コントロールを意識するのは主に後半なので、後半の3回のタイムアウトを使用して、時計を止める。
つまり、攻撃側の時間消費に対応できるのは要は最大で3回だけです。
ただ、これによって逆転をした試合を手前も何回か目にしています。
無駄なあがきとは言い切れないのです。

最後に、NFL特有のルール。
2ミニッツウォーニングについて。
これは時間のコントロールとは直接的には関係ありませんが、コントロールをする際には必ず意識していることで、前後半の残り2分になると自動的に時計がいったん止まり、試合が中断されます。
ただし、残り2分がプレー中(ダウン中)にかかった場合には、それが終了してから時計が止められます。
これはNFL特有で、試合中継の盛り上がる残り2分でいったんCMを入れるために採用されたルールです。
バラエティ番組で言う「まだまだつづくよ!」です。
これは時間消費もタイムアウト消費もなく作戦を立てることができるため、一つのキーポイントとなることが多いです。
2ミニッツ前にガンガン攻めてみたり、ワザと流して2ミニッツに持っていったり色々ですが、試合を何度も見ていると感じがつかめてくると思います。

以上が、おおまかなNFLの時間に関する説明になります。
反則や負傷者が出た時など説明していないこともありますが、概ね予想はつくと思うのでここでは割愛しました。

次回は、試合を見る上で知っておいたほうがいい放送での表示や審判のセリフのどこを聞いて、どこを見ればいいのかということをお話したいと思います。

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