【映画】しあわせの隠れ場所

あるレビューを見て、以前から観たいと思っていた映画『しあわせの隠れ場所』。
スカパーの契約していたチャンネルで放送されていたので、やっと観る機会を得た。

気になっていたならレンタルしてこいよという話はさておき、ストーリーは、

スラムで育った『ビッグマイク』ことマイケル・オアーはあるきっかけで白人が多く通う名門の学校に編入が決まる。
しかし、彼は運動神経や体格は飛びぬけていたが、育ちのために読み書きはあまりできない。
そのために学業ではついていけず、また普段の生活でも黒人ということで避けられていた。
身を寄せていた知り合いの家でも疎まれ、住むところもない状態に。
そんな時、彼に話しかけただいぶ年下の白人の少年がSJ(ショーンJr.)。
SJは彼にも何の偏見もなく接する。初めての友達だった。
その後、あるきっかけでSJの家で一緒にすむことになる。
マイケルと徐々に打ち解け、お互いの優しさに絆を深めていく。
そして彼の資質がアメリカン・フットボールで開花する。
それに伴って周囲からも受け入れられていくマイケル。
だが、その才能でさまざまな大学のアメリカン・フットボールのHCから誘いが来たとき、家族となったマイケルとSJ一家の絆に疑念が生じる事件が起きる。

といった内容。

雨の日にマイケルに声をかけるSJの母リー・アン。
あのシーンがなんとも切ない。
よくわからない体の大きな黒人の青年を家に泊めよう。
そんな憐憫からの同情でも覚悟のいることを実行に移すのは簡単なことではないはず。
むしろ、そのまま見て見ぬ振りしたほうがリスクを抱える心配がない。
リー・アンにしてもマイケルを信用して迎えた訳ではない。
しかし、翌朝リー・アンが目にした光景はおそらく少し自分の疑念を恥ずかしく思うような気持ちだったろう。
その後もマイケルの優しさや礼節がリー・アンの心を打ち、信頼を深め、自分の決断を誇らしく思えるようになったのだと思う。

「あなたが彼の人生を変えたあげているんだもの」
そういう人の言葉にリー・アンは言う。
「彼が私のを変えているの」

自分に置き換えて、マイケルにしろ、リー・アンにしろあれだけの優しさを人に対して与えられるかと考えると、まったく無理だ。

この話は実話を元にしていて、マイケル・オアーは実在するNFLの選手だ。
大きくストーリーに関わってきているアメリカン・フットボール。
アメリカン・フットボールがわかる人にはなおさら理解しやすい内容だと思う。
実際に選手と言葉を交わす機会のある人たちは口をそろえて言う。
NFLのオフェンスラインの選手は本当に人のいい優しい人が多いと。
オフェンスと名前がついているので攻撃的なイメージがあるかもしれないが、ラインの場合はオフェンスラインはただただ敵の侵入を防いで道を開き、味方のために耐えなければならないポジションだ。
ラインの中でも中央の人たちはボールに触れることさえない。触れたら反則である。
成績を見ても同じである。
ディフェンスラインの同じような位置にいる人たちには、タックル数、ファンブルフォース数、インターセプト数、サック数と功績をあらわす数字が並んでいる。
しかし、オフェンスラインにはゲーム数(出場回数)しかない。
試合に出たらただ動く壁となって味方を守り、味方の通る穴を作るだけだ。
個人の功績になる数字などはない。
チームのために尽くすだけのポジションなのだ。
脚光を浴びることも、称えられることもほとんどない。
だが、本当に仲間を守るポジション。
それを実感できる映画だった。
そしてそれを実感できる人柄だった。

マイケル・オアーは今もボルチモア・レイブンズに在籍し、試合に出場し続けている。

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