鉄分の部屋 最終回

最後は鉄分吸収を阻害するもの。

今、流行っている食べ方の落とし穴があります。

そんな大仰なことではないんですが、昨今言われている野菜などの食物繊維を多く含む食品から食べ始め、次にたんぱく質、最後に炭水化物という食べ方が言われています。

これは、これで正しい。

食物繊維は人間の消化機能では消化できないし、胃の中で膨れるので後から食べる物の量を制限もしやすくなる。
さらには食物繊維にはコレステロールなどを吸着して、腸で吸収させずに一緒に排出させるという効果もある。
さらには、食物繊維は腸内の善玉菌の食料にもなるので善玉菌を増やす役割もあり、腸内環境を整えてくれる。
普通に普通の量の食物繊維を摂っている分には、とても理想的です。

ただし、この食物繊維はコレステロールなどを吸着して一緒に排泄してくれるんですが、「など」の中には鉄などのミネラル分も含みます。
つまり、吸着して排泄してしまいます。

適度な食物繊維を摂取している分には、吸着分を上回る鉄分を通常は摂取することが普通なので、あまり気にする必要はないのですが、世間には「いい」と言われると限度を超してそればかり摂られる方がいらっしゃるのも事実。

そうなると、吸収率の高くない非ヘム鉄との相乗効果で鉄分の不足にならないとは限らない。

しかし、食物繊維と言っても2種類あり、要は水に溶けるか溶けないか(水溶性と不溶性)なのですがこれによっても性質が違うようです。

前述したコレステロール、ミネラルなどを吸着して排出する効果を持つのは水溶性食物繊維でさらにゲル状になり長く消化器官に留まるためにお腹がすきにくくなるそうです。
水分を抱え込んで膨らむのは不溶性食物繊維でこれが腸の蠕動運動を促進するそうで、種類にも寄るようですが一般的には便秘の改善に効果があるようです。

そういうわけで、水溶性の食物繊維を摂りすぎるとミネラル不足にもなりかねない。

じゃあ、どのくらいがいいのかというと、食物繊維自体で言うと18歳以上で一日おおよそ20gぐらいだそうで、40とか50gとかだと摂りすぎの可能性があるようです。

そうはいうものの、食物繊維自体を消化吸収しないのであれば、ミネラルを吸着する以外は排泄されるだけだから問題がないだろうと思うのですが、便の量は一日200gぐらいが理想的で、これよりも多くなってしまうと逆に便秘を誘発したりすることがあるそうです。
そのほかにも、多量に摂取すると下痢になる場合もあるようで、そこから他の疾患へと繋がる可能性もないとは言えないでしょう。

じゃあ、食品にはどれぐらいの食物繊維が含まれているのかというと、米100g中で水溶性はほんのわずかで不溶性で0.6gだそうです。(以下はすべて100g中です)
小麦粉だと水溶性1.2gで不溶性1.3g

全体的に見ると、水溶性食物繊維の量が不溶性の食物繊維の量を上回る食品はほとんどないようです。

ちなみに、きのこ類だと不溶性食物繊維の豊富さが顕著です。
干ししいたけは水溶性3gに不溶性38gなのです。

なので、干ししいたけ100gはちょっととりすぎかな? (戻したらどんだけになるのかな?)

しいたけは水溶性0.5gで不溶性3gです。

豆類も顕著なものが多いです。
例えば小豆などは水溶性1.2gに不溶性16.2g

水溶性の含有量が高いものを挙げるとすると、煎り胡麻、インゲン豆、切り干し大根、ライ麦、しいたけ、ごぼうなどが挙げられると思います。

こうしたものを摂りすぎると、鉄分の吸収を阻害して不足する可能性があります。

食物繊維の目安として、皆さんが摂りやすいキャベツの千切りで換算すると、キャベツは水溶性0.4gに不溶性1.4gなので全体は100g中に1.8g。
ということは、目標値の20gはおよそ1.1kgのキャベツによってクリアできますね。
もっとも、他の食品にも食物繊維があるので、キャベツだけを食べるとするとですけどね。

ここで、例外的なデキストリンについて話したいと思います。
難消化性デキストリンはご存知でしょうか?
最近、トクホの飲料などで多く使われているとうもろこし由来の食物繊維で、糖や脂肪の消化吸収スピードを緩やかにする効果があるそうです。
そのほかにも、整腸作用、内臓脂肪の低減効果、ミネラル吸収の促進作用などがあるらしく、ヒト試験でもその効果が見られるようです。(大塚製薬のサイトより)
そのために、食物繊維であってもミネラルの吸収を妨げないものもない訳ではないようですが、詳しい仕組みが解説されていなかったので、ほとんどの食物繊維はミネラルを吸着してしまうんでしょうね。

とりあえず、食物繊維の摂取のしすぎは鉄分不足を招く可能性があるようです。

最終回の予定でしたが、長くなってしまったのでつづきます。

すみません。

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コメント

大事な鉄分

電脳高架橋さんへ

こんにちは^^

ヘム鉄の摂取って、ベジタリアンには難しいものですね。
野菜の摂取し過ぎはよくないようですし。
私自身は、もう少し積極的にお肉(特に赤身)や貝類を食べるようにしたいと思いますが、できるかどうか・・・^^;

何でもそうですが
いいと言われるものを、極端に多く摂取するのではなく
あらゆる食材をバランスよく摂取するのが
一番いいのかもしれませんね。

勉強になりました!


Re: 大事な鉄分

yukoさんへ

> こんにちは^^

こんにちは!

> ヘム鉄の摂取って、ベジタリアンには難しいものですね。
> 野菜の摂取し過ぎはよくないようですし。
> 私自身は、もう少し積極的にお肉(特に赤身)や貝類を食べるようにしたいと思いますが、できるかどうか・・・^^;

一般的にはそうなようなんですが、昔からの食生活によってとか個人差とかは厳然としてあると思うので、自分が書いたものが必ずしも正解とは限らないと思います。
体調でこれに起因する変調とかがないのであれば、大丈夫だと思いますよ。
例えば、アラスカのエスキモーは凍土に住んでいるので、野菜などを摂取することがほとんどなかったそうです。
今は文明の力によって、様々な食料品が手に入るようですが、そのかわり、寒く菌類が繁殖しにくい環境のため、以前は生肉を食べてビタミンCなどを摂取していたようです。
北海道の人も結構豚肉や豚挽き肉とかを生で口にする人がいます。
意外に食べ慣れない食事の方が体調をくずすこともあるのかもしれません。
逆にぜんぜん野菜を摂れていない自分は大丈夫かなと思ったり。

> 何でもそうですが
> いいと言われるものを、極端に多く摂取するのではなく
> あらゆる食材をバランスよく摂取するのが
> 一番いいのかもしれませんね。
>
> 勉強になりました!

そうなんですよね、さすがyukoさん! 明日用に用意した記事の結論言われちゃいましたね。
でも、前にもyukoさんが言っていたように、品目を多く、野菜メインでありながらも動物性のたんぱく質も入ったyukoさん家のメニューが、自分の理想の食事ですけどね。
あ、鯖だけは無理ですが。
でも、鯖はDHAもEPAも豊富で体にも脳にもいい食材で、それが好きなのもうらやましいです。
自分は鯖缶がやっとです。^^
でも、ちょっとでもyukoさんの参考になれたのであればとてもうれしいです!

長い、記事をしっかりと読んでいただきありがとうございます。
そして、コメントをいつもありがとうございます。
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