夜明けの...

日も短くなり、午前5時ぐらいではまだまだ外は暗い。

6時になってやっと夜が明ける。

そんな夜が明けやらんとする午前6時前後。

車を走らせていた自分は、右折するべき交差点ですんでのところで赤信号に引っかかる。

変わり際だから、長く待たなければならない。

その交差点は右折車線と直進および左折車線とに分かれた交差点付近だけ2車線の道路。

当然、自分は右折車線に停車して、信号が変わるのを待つ。

まわりには車一台いない。

秋なので空気も乾いていて、朝もやなどもない。

しかし、ほんのわずかに残る闇と人っこ一人いない静寂が早朝の雰囲気を醸す。

だが、静寂が後方から最初は微かに、次第にハッキリとしたハミングによって打ち消される。

もちろん、早朝の冷たい空気の中で窓を開けて走るほどバカではないから、車の窓は全部閉まっている。

しかし、聞こえるハミング。

ルールゥルルルー

一瞬、車内の音かと思って車内を見回すが、音を発する要因などない。

カーステも電源は落ちている。

ルールゥルルルー

次第に明瞭に、音量もあがってくる。

やがて、直進・左折の車線に一台の軽自動車が自分の車に並ぶように停車する。

向こうももちろん窓は閉めているらしかった。

好奇心にかられて窓を少しだけ開けてみる。

途端に轟音に近いハミングが聞こえる。

隣の車にのっている60~70代ぐらいの男性は口を開いていない。

歌っているわけではないし、第一女性の声だ。

しかも、聞き覚えがあるこの声。

それにしても、向こうは窓を閉め切っているのだから、その車内に響くハミングはもはや爆音だろう。

これはどういうことなのだろうか?

老化によって聴覚が低下して、結果この音量がちょうどいいのか、それともヤンチャそうなおにいちゃんたちがすげぇアンプとウーハーを車に乗せて、ラップなどの音楽を街中にとどけといわんばかりに鳴らして走っているのと同じ気持ちなのか?

するとちょうどその時、信号が変わり、思案中で信号を見ていなかった自分の車を交差点に残して、軽自動車は道路を直進して消えていった。

姿が見えなくなっても、ハミングがつかの間、軽自動車の位置を知らせてくれていた。

その時、後ろからヘッドライトを点けた車がやってきた。

車は右にウインカーを出した。

「おっと、モタモタしていられない」

ふと現実に引き戻される。

交差点を右折し、道路を道なりに走りながら、寸断された思考を蒸し返す。

まあ、由紀さおりさんの名曲ではあるのだが...

夜明けだしね!

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コメント

ご一緒に

轟音に近いハミング、電脳高架橋さん、大丈夫でしたか!!!
何だったんでしょうね・・・・

不思議な体験ですね。
夜明け限定の行動でしょうか?

もし夕暮れなら?どんな曲を・・・?やはり、ハミング?
もしアタシが遭遇したらどんな行動を・・・?やはり、一緒にハミングでしょう。

電脳高架橋さんもご一緒に。

Re: ご一緒に

レインボウさんへ

> 何だったんでしょうね・・・・

本当に、なんだったんでしょう?

> 不思議な体験ですね。
> 夜明け限定の行動でしょうか?

そこはよく通る道ですが、同じ時刻でも過去一回もありません。
UFOにでもさらわれて偽の記憶でも植えつけられたんでしょうか?

> もし夕暮れなら?どんな曲を・・・?やはり、ハミング?
> もしアタシが遭遇したらどんな行動を・・・?やはり、一緒にハミングでしょう。

やはり、ザ・スパイダースあたりが有力ではないでしょうか?

> 電脳高架橋さんもご一緒に。

自分は1/3の参加ということで。

コメントありがとうございます!

追伸
『新楽さん』にはまだいけてません。
新そばの季節のうちに行きたいんですけどね。
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