川魚

どこから流れてくるのか、どこへ流れていくのかわからない。
水の流れ。
やさしくあれば、安らぎ惑う。
厳しくあれば、ひたむきに追い立てられる。

逆らい上るのか、流れ下るのか?
そのほとんどが下っていく。
それと知らずに、それとは知りつつ。
行き着く先はよどんだ沼か荒れ狂う大海か。
行く先を見ることはかなわない。
魚達は、なのに自信を持って泳ぎだす。
「さあ、こっちだ」と誇示しながら。
群れが下っていく。
わずかな仲間がのぼっていく。
時に不信にあえぎ、不安に苛まれても、すがる何かを信じ込んで泳いでいく。

私は何もできずに、岩陰に潜み、この場所で輪を書くように泳ぐだけ。
正しくありたいと思いながら、見えない恐怖にただ泳ぐだけ。
進むも戻るもできないでいる。

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