永と栄(山形紀行)

天童市は山形市のすぐ上。
時間的にはそれほどかからない。
すぐに天童市に入り、ナビの案内するまま目的の店周辺へ。
『目的地周辺です。音声案内を終了します』
画面の地図上では今走っている道路の左手に神社がある。
その神社の手前の小道を入るとすぐにゴール地点のマルGが表示されている。
地図どおりに左折する。
農道のような小道だ。左手に古びたプレハブみたいな建物があり、その先にはさらに狭い左折したところでどんづまりになることをひと目でわかるような車一台がやっとの小道。
そこにワゴン車がこちら側を向いて止まっている。
直進は田畑が広がる田園風景へと続いている。
この先へ直進したところで、この先に店があるとは思えない。
まして、ゴールはここの周辺なのだ。
店と思しきものなどどこにもない。
ブレーキを踏む友人。
先ほどのワゴン車が出てくると警戒したのだ。
ワゴン車の運転手はキョロキョロと落ち着きなく左右を確認している。
我々がいる道はなんとかそのワゴンとギリギリすれ違える道幅。
だが、ワゴンは出てくる様子がない。
こちらに来たいが、すれ違えないもしくは、すれ違う危険を冒したくないといった考えなのかと思い、友人を促し、ワゴン車の前を通り過ぎて停車する。
しかし、ワゴン車は相変わらず、キョロキョロと様子を伺うばかりで、動こうとはしない。
「どうしたいんだろう?」
と友人に言うと、
「ボンジュールに買いにいっている人を待っているんじゃない?」
と言う。
ボンジュールは次の目的のお店の名前だ。
目的のものはチーズケーキとポポーという洋菓子。
「ボンジュールなんてあった?」
驚いて問う。
「ほら、ワゴンの止まっている隣の建物」
友人がバックミラーを指し示す。
自分もサイドミラーで確認。
すると確かに大きな看板とかはないけれど、小さな立て看板が立っていて『営業中』とでっかく書いてある下に小さく『ボンジュール』の文字。
よく気づいたものだと思っていると、家のガラスサッシみたいな入り口が開き、女性がビニール袋をさげて出てくる。
友人の言う通り、ワゴン車に乗り込む。
するとワゴン車は我々が来たほうに走り去った。
友人はワゴン車のいたところに車を入れた。
これは運転手が乗っていないとなにかと問題ありそうなので、自分ひとりで買いに行く。
サッシ...じゃなかった、入り口を開け入ると元気のない壮年のパティシエさんが出てきた。
「いそがしいのにぃ」みたいな感じだったので、慌ててチーズケーキとポポーを頼もうと思ったが、ないのか、それともできていないのか、ショーケースの中のチーズケーキの場所には本日、売り切れの文字。
9時開店で10時前に行って売り切れだとすれば開店前で行列ができているはずだが。
とりあえず、ポポーとミルクケーキを2個ずつ購入して店を後にする。
すると、狭い道に2トンぐらいのトラックが入ってきた。
納入のトラックのようでボンジュールの前に車を止めると、荷台を開けて何かをおろしているようだった。
『もしや、チーズケーキ?』と思ったものの時間に追われている状況では確認するわけにも行かなかった。
それにしても、今は見ないような古めかしいショーケース、きれいとは言えない古い店舗のボンジュール。
しかし、その評判が高く、そしてお値段が安い。
4つ買って260円は最近のケーキ屋でケーキ買ったら1個の値段にもならない。
まあ、ミルクケーキと入ってもケーキと言うよりカステラに近いし、ポポーも高そうなお菓子ではない。
それでも260円は安い。
ネットで調べたところではチーズケーキはスフレケーキのようだがそれでもワンホール650円は安い。
おいしく、安く、飾らない、それがボンジュール。

ボンジュールを後にして行ったのが同じ天童市のヨークタウン内にある『山形旬菓詩 TAKEDA』。
こちらはおいしいという評判はボンジュールと同様だがそれ以外が真逆のお店。
建物からして、自前で建てたやわらかなスイーツショップ然とした建物で、中に入るとちょっと照明を落としながら商品を控え気味にライトアップ。
落ち着きながらも高級感も感じられる店内。
さらに、店員の方たちもしっかりとした接客と上品な立ち振る舞い。
店内には焼き菓子はもちろん、山形のフルーツを使った各種のコンフィチュール(ジャム)などさまざまなものがあり、ゆっくり選びたいような空間。
しかし、時間がない。
目的のバナナボートと、生チョコバナナボート、シュークリームを2個購入して退散。
しかし、バナナボートとシュークリームは低温冷蔵のショーケース内。
注文すると『持ち帰りのお時間はどのぐらいでしょうか?』と聞かれ、時間に合わせた保冷剤(1時間を超えると1時間分10円の有料)とさらに有料の保冷バッグを勧められる。
こちらは材料にこだわっており、その素材のおいしさを十分に味わって欲しいという事でそれらを勧めてくれるらしい。
決して押し付けがましくはないので、接客としてはかなり丁寧だと思います。
結局、家に帰ってから食べたので、お店の人が提供したかった味をあじわえなかったのだと思う。
これで予定していたすべての店舗を回り、最終目的地『一寸亭』へと向かう。
場所は東根市の近く、河北町である。
その話はまた次回。

そして、ポポー、ミルクケーキ、バナナボート、シュークリームのお味はと言うと。
ポポーはスーパーなどで3個入りなどで売っているシュークリームのシュー皮を幾分しっかりさせたエクレア型のシューの中にぎっしりと小豆餡のみが詰まったもの。
クリームのようなものはカスタード、生クリームとも一切入っていない。
味も想像に難くないと思うが、お世辞にも洗練された味とは言えないが意外とクセになるおいしさ。
あったら手が伸びちゃう感じ。
ミルクケーキも密度が高めで固めのスポンジカステラがミルク風味と言う味。
特別おいしいという事はないが、安心感のある味。
そしてコストパフォーマンスを考えれば、特筆に価するのかもしれない。
バナナボートというのは簡単に言えば、山崎パンの『まるごとバナナ』だ。
しかし、時間が経って味が落ちてしまった事を考えると、カステラはしっとりふんわりとしていてクセがなく、生クリーム、バナナと一体となった時に邪魔しないのに、味の土台となるような美味しさがある。
生クリームも上質の生クリームだからこそ出せる軽やかさと濃厚さがバナナを包み込んで、バナナの美味しさを引き立てていたように思う。
生チョコバナナボートはチョコの質のよさが一口でわかるほどしっかりとしたチョコ感で、バナナとの相性は言わずもがなだろう。
シュークリームはクッキーシュー皮。
クリームにも工夫していて、均一なトロッとしたクリームではありません。
何かを混ぜているのか、ムラを意図的に作っているのかはわかりませんがクリーム自体にもアクセントがあり、濃厚さよりもフレッシュ感重視でとっても美味しかったです。
さすが値段に見合った、いえ、値段以上のこだわりの品と言った感じでした!

補足写真

20150525bon01.jpg
よくみつけた、こんな立て看板。

20150525bon02.jpg
一押しみたいです!

20150525bon03.jpg

20150525bon04.jpg
ほら、あんぎっしり!

20150525bon05.jpg
サイズ的には5センチ四方ぐらい?

20150525takeda01.jpg

20150525takeda02.jpg
TAKEDADA!

20150525takeda03.jpg
箱もつやっつや!

20150525takeda04.jpg
まずはシュー!

20150525takeda05.jpg
クリーム!(ごめんなさい、ピントが合ってませんでした)

20150525takeda06.jpg
バナナボート!

20150525takeda07.jpg
断面1

20150525takeda08.jpg
断面2

20150525takeda09.jpg
金賞受賞だそうです。
金賞って一回にいくつのお菓子がもらっているんだろう?
それによってもありがたみが違ってくる気がするけど。

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コメント

No title

電脳高架橋さんへ

こんにちは^^

ボンジュールさんの看板、ほんとわかりづらいですね。
「店名」より「営業中」の方が目立って
お店の商品もそうですが、控えめですね^^

ポポーとミルクケーキは、昔から続いている商品で
当時、地元の人に愛されていたような
歴史を感じるお菓子のような気がしました。
気軽に食べられるお値段ですし、ちょっとお腹空いたからおやつでも
って時に、買いに行きたいお店ですね^^
売り切れてしまったチーズケーキも、とても気になりました。

それに比べ、TAKEDAさんは立派な外観ですね。
品数も多そうで、想像すると 店内もお客さんで華やいでいるような感じがします。
シュークリーム、とても美味しそうです。
生地がサックりしてそうだし、中のクリームがとても美味しそう。
バナナボートの生地は写真で見てもわかるように
ふわふわですね。山崎のまるごとバナナでさえ美味しいと思うのに
TAKEDAさんのは本格的だと思うと、食べてみたいです。
甘さ控えめで、上品なお味がしそう。

2店とも、それぞれの良いところがあり
人気店なだけありますね^^

ところどころで見かける「金賞受賞」の表示。
確かに、全国菓子大博覧会の頻度もわからないし
受賞数もわからないですけれど、こうやって書かれてあると
ついつい惹かれて、つい手が出てしまいますね^^




Re: No title

yukoさんへ

> こんにちは^^

こんにちは!

>ボンジュールさんの看板、ほんとわかりづらいですね。
> 「店名」より「営業中」の方が目立って
> お店の商品もそうですが、控えめですね^^

はい、控え目というか...地味です!

> ポポーとミルクケーキは、昔から続いている商品で
> 当時、地元の人に愛されていたような
> 歴史を感じるお菓子のような気がしました。
> 気軽に食べられるお値段ですし、ちょっとお腹空いたからおやつでも
> って時に、買いに行きたいお店ですね^^
> 売り切れてしまったチーズケーキも、とても気になりました。

昔から続いている...確かに、そういう感じですね!
だからこそ、リーズナブルなのかもしれませんね。
自分もチーズケーキが惜しくてなりませんでした。
事前に予約とかもできるようなので、機会が合ったら予約して言ってみたいと思います。

> それに比べ、TAKEDAさんは立派な外観ですね。
> 品数も多そうで、想像すると 店内もお客さんで華やいでいるような感じがします。
> シュークリーム、とても美味しそうです。
> 生地がサックりしてそうだし、中のクリームがとても美味しそう。
> バナナボートの生地は写真で見てもわかるように
> ふわふわですね。山崎のまるごとバナナでさえ美味しいと思うのに
> TAKEDAさんのは本格的だと思うと、食べてみたいです。
> 甘さ控えめで、上品なお味がしそう。

店内も広めで、いろいろ並んでいましたね。
みんながゆっくり選べるような店内の雰囲気もよかったです。
甘いもののお店は独特の華がありますよね。
シューもバナナボートも美味しかったですよ。
そう! 上品な味、甘さでした!

> 2店とも、それぞれの良いところがあり
> 人気店なだけありますね^^

今回は行って良かったお店ばかりで楽しかったです!

> ところどころで見かける「金賞受賞」の表示。
> 確かに、全国菓子大博覧会の頻度もわからないし
> 受賞数もわからないですけれど、こうやって書かれてあると
> ついつい惹かれて、つい手が出てしまいますね^^

そうなんですよねぇ、なぞなんですよねぇ?
そして確かに惹かれる。
コメントありがとうございます!
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