【アニメ】新世界より 第10話 ネタバレあり

14歳のクライマックスでしたね。

悪鬼に比べて理性が保たれている分だけ、業魔化した人間の悲しみは大きい。

自分の存在自体が、周りを傷つけてしまう。

当然、なんとか止めようと努力するはず。しかし、止められない。

誰のせいでもない。

鏑木肆星が去った時の瞬の笑みは、最後の望みともいえる強力な呪力の持ち主に去られた自分の絶望を笑っていたと言うことなのでしょうか。

愛するが故に孤独を選ばなければならない瞬。

愛するが故に追い続けた早季たち。

ただ、その時までたった一人ではなかった瞬。すばるの存在が救いだった。

一話より登場していたブルドックは、本当にかわいらしい犬でした。


(以下、あらすじ)

早季の眼前に現れた不浄猫。早季は動けない。
猫はゆっくりと近づいてきたかと思うと、不意に大きく跳躍し、その牙を早季の喉笛に突き立てた。
しかし、牙は早季をとらえることができない。猫除けのお守りが、牙を防いで軋む。
されるがままの早季。ただその口だけが早鐘のようにマントラを唱える。
はじかれる猫。
天を仰ぎ、目標を見定めると再び跳躍する。
今度は早季も猫を見据えている。そして、止めることなくマントラを唱える。
猫は早季にも、地面にも触れることなく空中に戻され、ねじれた。猫は地に堕ちた。

うつろに歩を進める早季。あたりはこの世の名残りをのこしつつも、この世のものとは思われぬありさま。進めば進むほどに。
さまよい歩いた早季は、倒れこむ。その時、瞬がそばにいることを感じる。
「どこにいるの?」
早季の問いかけに、瞬は苛烈に応じた。まるで、別れを告げたあの時のように。
「帰れ!」
それでも瞬は、早季を傷つけないように上着を吊り上げることによって早季を拘束する。
抗う早季は、上着を脱ぎ捨てて叫ぶ。
瞬は早季の意思を感じとる。
「私、殺されそうになったんだから」
早季の言葉に瞬は堪らずに姿を現す。
「猫に会ったのか?」
あらわれた瞬は面をつけ、顔を隠している。
「でも、瞬に貰ったおまじないのおかげで助かったの。でも、多分もう一匹いる。」
早季は真理亜から聞いていた。
瞬は早季に出来るだけの説明をするために10分という短い時間、早季が留まることを許した。
瞬が歩き出し、振り返る。
「入ろう」
そこには、湖に囲まれたバンガローがあった。まわりにはオーロラのような光の模様がたえず変化しながら描き出されていた。
「これ、瞬がやっているの?」
早季の問いに瞬は答えない。

「10分間、それぐらいなら抑えられる」
そう言う瞬の周りに、最後に会ったあの日よりも多くの数の蜂玉が浮き上がる。
「そのお面とってよ」
と言う早季の願いを、瞬は拒む。
そうして、瞬は語りだす。
呪力の漏出について。
人間には意識している部分と無意識の部分があり、無意識の部分の方が広大であるということ。
呪力を持つものにとって、無意識によって生み出されるイメージは物理的な行動と違い、形成と同時に呪力として発動してしまう。意識を通過しないため、止めたり修正したりすることが出来ない。
それを防ぐために、人間はマントラを唱えなければ呪力は発現しないと制約をつけ、無意識による呪力の発現を弱めたり、抑えようとしたりしている。
また、八丁標も無意識下の呪力の微弱な漏出を外に向けさせる目的で設けられている。そして、その漏出した呪力の力で生み出されたのがミノシロでありトラバサミであり、カヤノスヅクリだという。
そこに、硬い瘤に全身が覆われ、口には牙がはえ揃った醜い生き物があわられる。
身を硬くする早季。
「大丈夫、すばるだよ。」
すばるは瞬に駆け寄ると尻尾を振りながらその差し出された手のひらを舐める。早季はそこに変わらぬすばるを見とめる。
膝の上にのせ、その硬くなってしまった背中をやさしく擦りながら、瞬は涙を流す。
「何も...ぼくは本当に、何もしたくなかったんだ」
蜂玉の一つが呪力の干渉が弱まり、テーブルに落ちそうになる。
瞬はそれを手を指し伸ばして、再び浮かせ、回す。差し伸べた部分のテーブルが変形する。
それは、瞬の意識下の呪力が弱まり、無意識に漏出する呪力の影響が増大していることを示していた。
「無意識の暴走により、呪力の異常漏出が起きて、周囲のものすべてが破壊的な影響を受けて異形化してしまう。これが橋本アッペルバウム症候群だ。」
瞬が絶望的な宣告をする。
「ぼくは、業魔になった。」
信じられない早季。
しかし、瞬は極めて冷静に業魔化を肯定する。しかも、自分の記録をつけていて、いずれはそれが最も新しい症例となるだろうと言う。
早季は業魔を直す方法を問うが、清浄寺の無瞋上人の施術ですら効果がなかったと言うのだ。
「ぼくの呪力はフタが壊れたような状態で、止めることは出来ないらしい...」
早季は自分がサマーキャンプの際に、間違った方法で呪力を復活したせいだと自身を責めるが、瞬はちがうと言う。
瞬は抑えきれなくなってきている自分の呪力の暴走を自覚し、早季に帰るよう促す。
拒む早季だが、瞬の次の言葉が彼自身の悲しみの深さを物語っていた。
「早季、ぼくはこのために両親を死なせてしまった。だから帰ってくれ。これ以上、ぼくのために愛する人が死ぬのを見たくないんだ。」
早季はあきらめずにいたことをあきらめざるを得ないことを悟る。
「私には瞬は救えない。私には何もできない。」
二人が互いに思いあう気持ちが、二人を別つ。ふらふらと戸口に歩く早季が振り返る。
「私に何かして欲しいことは?」
重苦しい空気がバンガローを満たす。その時、もう一匹の猫が姿を現す。
ゆっくりと瞬に近づく猫。
猫を呪力で止めようとする早季を、瞬が制する。その声音に気圧される早季。
猫が飛び掛ろうとした時、早季が呪縛から解けて再び呪力を行使しようとしたが、それよりも早く飼い主を守ろうとすばるが飛び出す。
人懐っこくやさしいブルドック。異形化したとはいえその性格は変わっていなかったはず。だが、自分よりもはるかに大きく、獰猛な不浄猫に臆することなく跳びかかる。
しかし、戦いなれている猫の敵ではなく、腹を食いちぎられて床に転がって死んでしまう。
その瞬間、すべての蜂玉が命を失ったように床に落ちた。瞬は怒りから猫を反射的に葬ってしまう。
「すばるはぼくを助けようとしたんだ。そんなことをしても何にもならないのに...
何度もおいていこうとしたんだ。でも、どうしてもついてくる。
本当はぼくの方が淋しかったのかもしれない。
すばるがいなくなったら独りぼっちになっちゃうから...
あの猫だって、別に悪くなかったんだ。
ただ命令どおり、ぼくを...ぼくの始末をつけに来た。
だから、ぼくがやるべきことを決断するタイミングが遅かった。
もっと早く、決着をつけるべきだった。
ぼくがずるずると引き延ばしたから、すばるをこんな目に遭わせちゃった。」
すばるの亡骸を抱き上げる瞬。

『--少年は業魔となり、周りのものを捻じ曲げてしまった。
少年は自分がこの世に存在してはいけないことを悟って、湖に姿を消した。』

瞬はバンガローに来る際、様々な毒の入った錠剤を渡されていた。
早季は飲まなくてよかったと言う。
しかし、瞬は飲んでいた。飲んだが毒が変性してしまって効かなかったと言うのだ。
無意識に死にたくないという思いがある自分を瞬は嘲笑しているようだ。
「来るみたいだ...」
周囲が波立ち、祝霊のようなざわめきが起こる。
「早季、早くここを出るんだ!」
瞬は呪力で早季を遠ざけようとする。抵抗する早季。だが、瞬の悲しみは深い。
「今度こそ終わりにするよ。もう、たくさんだ!」
瞬の周りを囲むように床板が持ち上がる。瞬のお面が溶け、一部が露わになる。
「早季。ずっと、好きだった。」
早季はバンガローから遠くへと飛ばされた。
それと同時に、バンガロー周辺は巨大なうねりに沈んだ。

『私に何かして欲しいことは?』

早季は瞬の願いを聞き届けた。
「私は生きなければならない。」


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